ハイドン「告別」シンフォニーのコントラバスソロ。

昨日はクロアチアの海辺の町「Medulin」まで遠征してのコンサートでした。ここ数週間はコンサートが詰まっており、これが最後のひと踏ん張りのお仕事。週末休んで、また7月半ばまでビッシリです。ありがたいことに!

さてコンサートの一部に、コントラバス弾きならみんな知ってる?この楽章がありました。
a0286469_21341047.jpg
ハイドンの交響曲第45番、「告別」です。最終楽章で演奏者がだんだん退場していくという演出付きの珍しい曲でして、構成や誕生秘話なんかはウィキペディアにお任せします。

我々コントラバス奏者にとっては、最終楽章のこのソロが腕の見せ所です。前半のイ長調(Aのペダルトーン部分)はいいんです。D線のネックポジションのAを基準にすれば、まぁ簡単。調性の橋渡し役のロ短調部分も、G♮はハーモニクスがあるし、大丈夫。問題は、転調後(嬰ハ長調、C♯メジャー)の分散和音です!C♯のオクターブをどこでどうとるか!?

1.E♯の時だけポジション移動をして4の指で取り、G線とA線でC♯のオクターブを取る。ユーチューブにある、バレンボイムとウィーンフィルの映像ではこうやってました。利点は、音の輪郭がクッキリすること、最後の小節が弾きやすいこと。欠点はやはりポジション移動がかなり多くなることでしょう。

2.低いC♯をE線1の指、高いC♯をD線4の指、E♯をG線2の指で取り、ポジションを極めて動かさない。別のオケで一緒になった先輩コントラバス弾に聞いてみたところ、彼はこうするそうです。利点はもちろんポジションチェンジをしなくて済むこと、欠点は人や楽器によってはかなり無理のある手の形になってしまうことでしょうか。

3.僕の指は長くて細いので、2.のような押さえっぱなし戦法にはあまり向きません・・・。そこで、逆に指の長さを活かし、G線のE♯を1の指で取りその長三度下のC♯はD線で3の指で常に押さえっぱなし(僕は長三度の和音は1-2ではなく1-3で取ります)、オクターブ下のC♯もE線まで1の指を伸ばして取ることにしました。3の指でC♯を押さえっぱなしなので音程の基準になりますし、強い1の指で変化する音を弾けるのでなかなかハッキリした音にできます。欠点は、人差し指が短い人にはまず無理、それに最初のE♯を1の指で取る際、ちょっと移動が難しいかもしれません。
a0286469_21341047.jpg
ソロとはいえ、ペダルトーンも変化のある音も常に他の弦楽器がユニゾンで弾いているので、それを聞いて音程を取れば大きな問題はおきません。昨日は響きの良い教会での演奏でしたので全体的にスタッカート気味、でもロ短調の部分は少しドラマチックに一音一音を長めに。最後の6小節(ほぼ同じことの繰り返し)はフォルテで調性を示した後ピアノでエコーにして、デクレッシェンドで消え入るように終わる、というのが僕の音楽的アイディアでした。シンプルなだけにやりすぎてもいけないし、なかなか難しいですねー。

ちなみにこのソロの後は僕も退場、ケータイを取り出して電話がかかってきたフリをしてみましたが、演技が小さかったかイマイチ受けなかった・・・。まだまだ勉強、ですね。笑。

クリックして応援お願いします!


人気ブログランキング
[PR]
by mitsugu-ts | 2018-06-28 22:17 | 僕のコントラバス考 | Comments(0)

イタリアの東北、風の街トリエステで生活するコントラバス弾きmitsuguのブログ。トリエステ情報や音楽、コントラバスに関する考えをまとめています。ときどき近況も。どうぞよろしく!


by mitsugu-ts