コントラバスでバッハのプレリュード(ト長調)、フィンガリングの提案。

音楽家の方なら経験があるかと思いますが、オーケストラの仕事の譜面以外にはバッハしか弾きたくない、という期間ってありませんか?僕は今まさにその時期でして、バッハの無伴奏チェロ組曲をボソボソと練習しています。コントラバスでチェロのためのこの組曲を弾くのはどうなんだ!?という質問に対する僕の意見はこちらの過去記事をどうぞ。

さて、みんな弾きたい有名なト長調のプレリュードですが、もはやコントラバスで弾くことも当たり前になってきた感があります。この曲の後半には、チェロのAの開放弦をペダル・トーンとしながら少しずつ、その後Dの開放弦とは急激に調性の音を上っていく部分がありますが、そこを僕がどう弾いているか、というのが今日の話題です。

コントラバスにはAの開放弦はありますが、ちょっと音域が低すぎますし、音が濁りがちです。そこで僕は、D線上のハーモニクス(弦長の3分の2)にあるAをペダル・トーンとして採用したフィンガリングをしています。言葉では説明しにくいので、まずは楽譜の写真を。これはチェロ譜なので、1オクターブ上げて読んでください。
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要するに、手を広げた状態で3の指(薬指)をD線にあるAのハーモニクスに置きっぱなしにして、他の指で他の音を取るというものです。ユーチューブで見るとアメリカの方の奏者(Jeff BradetichやLauren Pierce)がこれと同じようなアプローチをしていますが、僕の場合はパッセージ前半から親指ポジションに左手を置きっぱなしにして、EもA線のハーモニクスで取ってしまいます。その方が、和声構築に良い効果がある気がします。

このパートの音楽的な狙いは、もちろんペダルトーン以外の音の動きを聞かせることでしょう。このフィンガリングで、ペダルトーン抜きで動く音だけを弾く練習なんかもしています。

この後のDのペダルトーンですが、最初はもちろんD線の親指ポジションですが、僕は手が届かなくなったらオクターブ下げてコントラバスの開放弦で弾いちゃいます。結果的にバッハが書いた音より1オクターブ低くなってしまいますが、だってコントラバスで弾いてるんだもの、楽器の特徴を活かさなくちゃ!笑。もちろんこの記事に書いてあることは、全て僕の個人的な提案で、これだけが正しい!と言いたいわけではまったくありません。

最後に、このブログからのリンク限定で、僕が4年前に日本で友達と弾いた時のビデオを張り付けておきます。音が出るのでご注意!ちなみに楽器も弓も借り物で、当日初めて弾いたものですので、細かいアラはご容赦を・・・。無制限の公開用ではないので、僕の許可無しのシェアはご遠慮願います。


コントラバスでこの曲を弾くのは、根本的に間違っているかもしれないという思いは今でもありますが、こんな風にフィンガリングの工夫で上手く機能するところもあるので、やっぱり素晴らしい勉強になります。さて、いつか人前で弾けるようになるほど完成度の高い演奏ができる日が来ますかどうか?

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Commented by TA1 at 2018-06-01 19:39 x
個人的にタイムリーな話題だったので久々にコメントしてみる。
そのプレリュード、ニ長調に移調した楽譜を作って、練習しています。結構コントラバスに合うと思うんよね。ニ長調。
ペダルの部分をどう弾くかは、いろんなことを考えてまだ自分の中で解決していません。なので、この記事見てなんか嬉しくなった。試してみるよ!
Commented by mitsugu-ts at 2018-06-02 17:54
> TA1さん
書き込みの名前が変わってるけど、meganeの人かな?ニ長調なら、同じフィンガリングで、弦を一本ずらせば、ト長調と同じ効果が得られそう。あとやっぱりコントラバスで弾きやすい長調といえば、ニ長調でしょう。いいんじゃない?

他にはコントラバス用にハ長調に移調された譜面を見たことがあるけど、最後の最後の和音をキめるのが難しいんよねー、ハーモニクスが無いから。
Commented by TA1 at 2018-06-07 21:00 x
meganeはかけとるけどmeganeの人ではないヨ。た・いち の人です。
上手な人が弾くト長調ももちろんいいんやけど、俺みたいのが弾くとどうしても最後の方で出音が苦しい感じになってね。
いろいろ探してしっくりきたのがニ長調やった。
ハ長調は難しそう、と思って試してもいないや(笑)
弦を1本ずらす移調は結構有用なんじゃないかと思ってて、試してみたい曲がいっぱいあるんよね。
Commented by mitsugu-ts at 2018-06-08 05:05
> TA1さん
うん、前の返事を書いたちょっと後に名前の暗号解読できて、笑ってた!二人ともちょうどバッハを練習中なんて、音楽で繋がってる感じがして嬉しかったー。
特にチェロの曲は、1本ずらすのが有効な時多いと思う。まぁ、ローポジションとハイポジションの移動が増えると逆に難しくなるとか、いろいろ他にも都合はあるんやけどさ。
by mitsugu-ts | 2018-05-29 16:11 | 僕のコントラバス考 | Comments(4)

イタリアの東北、風の街トリエステで生活するコントラバス弾きmitsuguのブログ。トリエステ情報や音楽、コントラバスに関する考えをまとめています。ときどき近況も。どうぞよろしく!


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