ファブリアーノ、紙と透かし漉きの博物館編。

一夜明けて、日曜日の朝。楽しみにしていた紙と透かし漉きの博物館(Museo della carta e della filigrana)へと繰り出しました。
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開館時間は季節によって変わりますが、冬と春は9時半から昼休みを挟んで18時半まで、夏は10時から昼休みを挟み19時半まで。月曜日が休館日です!入場料は大人が7ユーロでガイドツアー付。2018年5月現在の情報です。

中央広場からゆっくり歩いて10分くらい、昔は修道院だった建物に博物館が入っています。
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張り切って9時半すぎに到着したのですが、切符売り場のおじさん(博物館のガイドさんでもありました)に「次のイタリア語でのガイドツアーは10時半だよ、ガイドが無いと見てもイマイチわかんないよ」と言われ、町中に戻って朝市を見物して時間を潰しました。朝市は骨董品や古本や服がほとんどで、食料品や土産物の店が日曜日なのでバッチリ閉まっているのは、さすが田舎。サラミ買いたかった・・・。

さて10時半に博物館に戻ってみると、小学生の団体が。学校では無いようで、どうやらご近所の仲良し家族が8世帯ほど団体旅行をしてるのか?とにかく、僕らもそのやかましいグループに入れられてツアー開始。
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まずはこちら。水車を動力としてぼろきれを叩き潰す装置。木材やパルプから作られるイメージが強い紙ですが、もともとあったのは麻や綿から作られるもので、今でも上質紙とされています。
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紙漉きのやり方自体は、和紙と同じなようでした。こちらも一人前の紙職人(ここでは「Lavorente」と呼ばれる)になるには、長年の修行と経験が必要なことも同じです。
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このように漉き台に針金などで模様を作っておくことで、
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針金のある部分だけが薄くなり、透かし模様が浮かび上がるわけです。まだ濡れた状態の紙に圧搾と乾燥を施します。てこの原理でかなりの重さをかけるそうです。
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これで紙自体は出来上がりですが、書類として使うには欠かせないのが糊付け。これをしないと、インクが滲んでしまいます。糊は動物のニカワを原料に使っていたそうで、そのおかげで羊皮紙に代わってオフィシャルな用途な紙に昇格した大発明なんだとか。
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産業革命時代のオートメーションされた糊付け機や、現在の糊付け機(ほとんどが化学合成糊)も別の部屋で見れます。
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これで地上階のツアーは終了、2階に上がって今度は透かし漉きの歴史や技術を教えてもらいます。昔は針金でやっていたものを、電気が発見されると銅板と炭素を用いて、ずっと細かい陰影を表せるようになりました。
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こうした技術は、お札に代表されるような証券や正式書類に活かされています。最後には、ユーロ紙幣の偽造防止テクニックの一部を紹介してくれました。イタリアで印刷されるユーロ紙幣の紙自体の製造は、ファブリアーノ社が全量受け持っているそうです。

僕らの担当をしてくれたガイドのおじさんはかなりのひょうきん者で、なかなか社会風刺の効いたジョークを交え、大勢いる子供をからかったりしながらのガイドでしたが、紙作りや実情のかなり深いところまでを教えてくれました。

妻がお土産にファブリアーノの紙作りの伝統について書かれた本を買ってきたので、またのんびり勉強してみようと思います。こちらの博物館はおススメですが、冒頭に書いたようにガイドツアーが基本なので、外国語が良く分かる人が必要かと思います。博物館のページによると、イタリア語・英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語に対応とのこと。
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ファブリアーノには他にも「自転車を使った仕事博物館」や「ピアノ博物館」などマニアックで興味深い場所があったのですが、時間が合わずに行けず終いです・・・。それでも一泊二日で、大いに楽しみました!さーて、妻と巡る次の「紙スポット」はどこになりますことやら?

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by mitsugu-ts | 2018-05-16 15:11 | ヨーロッパの思い出 | Comments(0)

イタリアの東北、風の街トリエステで生活するコントラバス弾きmitsuguのブログ。トリエステ情報や音楽、コントラバスに関する考えをまとめています。ときどき近況も。どうぞよろしく!


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