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阪神淡路大震災20年に寄せて。

昨日で、1995年1月17日の阪神淡路大震災から、20年が経ちました。当時、僕は小学生でしたが、地震の瞬間はよく覚えています。直下型だったためか、最初の衝撃は「揺れ」というよりか「下から巨人の拳で突き上げられる」感覚でした。実際に音がしたのかどうかはわかりませんが、頭の中には「どぉん!!!!」という効果音が残っています。それから激しい揺れ、別の部屋から母親の「ふとんかぶりなさい!!」という叫び声。そこまではよく覚えているんですが、そのあとは覚えていません。親がこっちを見に来てくれたんだっけ?それとも自分で立ち上がってリビングに出たんだっけ?家から外には出なかった気がするけど、どうだったか?

身勝手なもので、10周年の時はほとんど思い出しもしなかったのに(「イタリアに行こう!」と必死になっていた時期です)、20周年の今になって、あの時の経験が僕という人間にどのように影響しているのかを考えています。

僕の家は震源地から非常に近かったにも関わらず、断層がこっちに来ていなかったお陰で、被害は比較的少なかったんです。その代りというか何というか、断層が沿っていた神戸の中心街の被害が大きくなったんですね。

まだ小さかった僕にとっては、周りで亡くなった方というのもいなかったし、ガスや水道が数日間使えなかったのも、キャンプ気分で楽しんでいたように覚えています。そんな風に思えていたというのは、両親がしっかり面倒を見てくれていたという事でしょう。有難いことです。

電車が動くようになってすぐ、父親が火災がひどかった隣の区の様子を見ておけと、連れて行ってくれました。その時初めて、自分の目で「被害」を目にしたように思います。テレビでは連日、火災の様子を放送してましたが、いまいちピンと来ていませんでした。

もう一つ、うろ覚えの記憶があるんですが、ある日母親がこれまた隣の区にある、小さな小さなおもちゃ屋さんに連れていってくれたんです。たしか、その店をやってるおばちゃんが母親の知人なのでした。うちの家では、子供におもちゃを買い与えたりする事はとても珍しい事だったんですが、その時に、おばちゃんがタダでくれたのだったか母親が買ってくれたのだったか、「好きなおもちゃを一つ選んでいいよ」と言われて、実際に持って帰ったんです。誕生日でもクリスマスでもないのにおもちゃ(たしか当時はまっていたプラモデル)が手に入り、ガキだった僕は、単純にすごく嬉しかったんですね。いま大人になって考えてみると、もし母親が買ったのならそれはおばちゃんを少しでも助けるためで、もしおばちゃんがくれたのなら、それはもう店を閉める覚悟をしていたんじゃないか、と大人の事情があったものと想像します。どっちにしろ、大変な状況の中でも、いやそんな状況だからこそ、子供の心を沈ませないよう、頑張ってくれてたんだと思います。

もし今、僕の身の回りでまたなにか大災害が起こったら、果たして僕にそんな行動ができるかどうか?そんな時に僕が守るべき人は誰なのか?どこまでなのか?考え出すときりがありません。

あの時、公団住宅の一階に住んでいたので、階ごと潰されて死んでいたかもしれないんです。そう考えると、「あんまりグダグダ生きとったらあかんなぁ・・・」と身が縮まる思いです。

結論は出ませんが、地震の事をしっかり意識して、考え続けるのが僕のやるべきことなんだと思います。もう一度、犠牲者の方々のご冥福をお祈りいたします。

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Commented by wadako at 2015-01-19 10:25 x
ご無沙汰してますが、ブログはフォロウしていますよ。
神戸での今年の式典は、これまでで最大の参加者だったと報道されています。10周年の時よりも、東日本震災のあとの時よりも多かったということです。
トリエステは地震がないので良いですね―。
私がトリエステに赴任したのがラクイラ大地震の直後だったので、テレモートという単語はすぐに覚えました。
変な話ですけど、かみさんが寝返りを打つとベッドがかすかに揺れて「地震?」と身構えてすぐ「ここには地震はないんだ~」とほっとする瞬間の気持ちが懐かしいです。
Commented by mitsugu-ts at 2015-01-23 07:32
wadakoさん、地震ばっかりは無いに越した事はないですね。トリエステには地震が無いというのはちょくちょく聞くのですが、まぁ油断せずにやっていきたいと思います。
Commented by wadako at 2015-01-26 08:19 x
上記なようなわけで、私が赴任したときには地震の話で持ちきりでした。地質調査所だか作成の資料を見せられて、確かにトリエステでは地震がない、と納得させられました。あの近所だと、ジモーナ デル フリウーリへ出張したときに地震で旧市街が壊滅した話しを聞いたことがあります。日本語が少しできる高校生がいてびっくりした。
by mitsugu-ts | 2015-01-18 19:53 | その他 | Comments(3)

イタリアの東北、風の街トリエステで生活するコントラバス弾きmitsuguのブログ。トリエステ情報や音楽、コントラバスに関する考えをまとめています。インスタグラムでは「#今日のトリエステ」を発信中、ときどき近況も。どうぞよろしく!


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