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どソロで弾けるコントラバス曲を考える。その1「psy - Luciano Berio」

こんばんは。クリスマス休暇に入る前の最後の一週間、忙しいです!しかも一年前に買った上等のヘッドフォンが壊れるというプチ災難に見舞われ、ちょっと疲れ気味・・・。

こんな時こそ音楽の事を考えてみましょう!最近は、コントラバスのための、どソロ曲を見直してみています。1900年後半から、コントラバスのために書かれた曲も増えてきました。例えばジャズ・ライブなんかの雰囲気でも弾けるような、一発芸的な曲を用意したくて、いろいろ見てみてます。まずはこちら、イタリア人の現代音楽作曲家、ルチアーノ・ベリオ(Luciano Berio)の「psy(プサイ?)」。
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ベリオの友人のために書かれたらしいこの小曲、いろいろな解釈が出来ます。ユーチューブなんかでよく弾かれているやり方は、最初のメトロノーム記号を尊重してかなり速め、フォルテでガンガン行くタイプ。僕の好みではありません。そもそもこのメトロノーム記号や印刷された弓順って、本当に作曲家が書いたものなんでしょうか!?僕は結構、疑いをもって見ています。

この最初の「Forte barocco」という速度記号がイヤらしいですよね。「強くバロック」という意味で、僕としては強弱の問題ではなく、バロック音楽っぽいアプローチをせよ、という意味なのではないかと考えています。そうすると、バロック音楽の特徴である「フレーズの方向性を考える」「一音一音に重さを持たせる」という解釈がうまく機能する部分が多いと思います。

久しぶりにユーチューブ巡りをしていたら、ベルリンフィルの若き天才エディクソン・ルイツが、素晴らしい演奏をしていました!これは、かなり僕好みです。
細かい話をすると、29小節目、曲中唯一のピッチカートは、しっかり右手で弾いて余韻が残ってるうちに次のデリケートなフレーズを弾くと良いのでは、と思います。42小節目からの一連のフレーズで16分音符を「カカッ」と弾いてるのは素晴らしいアイディア。曲の終盤60小節目からのテンポは、ちょっとリラックスし過ぎじゃないか、というのが、僕の感想でした。でも全体に、素晴らしい!彼はこういう現代曲と特に相性が良いと思います。

他の曲についても書くつもりでしたが、時間が無いのでまた今度とします。こんなマニアな記事を読む人がいるのか・・・?笑。まぁ自分の勉強のためです、ご容赦ください。

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Commented by KB at 2013-12-26 23:52 x
この曲、プサイって読むんですかね?僕もYouTubeで聞いてて好きになり、昔に楽譜を買いましたが2ページ目から譜読みするのが面倒になり放置してました…

先日知人のフリーランスのベーシストととあるソロの楽譜見ながら話してて感じたのですが、楽譜からアプローチを考えて音に出して演奏できることにすごい尊敬の念を抱きます。楽譜という音のない無の状態から、表現して音楽という有の状態を生み出す過程は、真摯に音楽に向き合ってないとできないことだなと思ったので。
migさんのブログ見ると、自分の音楽への冷めていた熱が高くなります(笑) アマチュアだと言って自分から逃げず、真摯な姿勢を忘れないようにしないといけないですね(^_^;)
Commented by mitsugu-ts at 2013-12-27 23:30
KBくん、コメントありがとう!
音楽への熱が冷めていた!?良くないねー、さっそくこのpsyの楽譜を引っ張り出してきて下さい!
実際には「楽譜から音にする」訳ではないと思う。作曲者が聞いた(宇宙から?頭の中で?)音楽を、メモしたのが楽譜。最終的な狙いは、「作曲者が音楽を手に入れた場所」にたどり着く事であって、楽譜を解析するだけじゃ、ただの算数になってしまう。
って、言葉で書いても分からないね。笑。とにかく、音楽は愛すれば愛するほど、こちらにも喜びを与えてくれると思うよ。お互い頑張ろう!
by mitsugu-ts | 2013-12-20 01:58 | 僕のコントラバス考 | Comments(2)

イタリアの東北、風の街トリエステで生活するコントラバス弾きmitsuguのブログ。トリエステ情報や音楽、コントラバスに関する考えをまとめています。インスタグラムでは「#今日のトリエステ」を発信中、ときどき近況も。どうぞよろしく!


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