遅く弾くこと。

バカンス明けのむなしさ、夏休みが終わりに近づいているむなしさが襲ってきますが、頑張っていきましょう、ここトリエステ。今日は、自分の考えをまとめます。

近所で見つけた、夢いっぱいの車。
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何かしら楽器を弾いてる人なら経験あると思いますが、例えば人前で弾いたり、緊張していると「走り」ますよね。つまり、自分で考えている、もしくはいつものテンポより速くなってします。僕も、もちろんこの傾向があります。

むかしどこかの指揮者さんが、「アマチュア・オケは走る、プロ・オケは走らない、それが違いだ」と仰ってましたが、身が縮む思いです。走ります、俺。まずは弱点を見つめなくては・・・。

なぜ走るのか?物理、生理の観点から言うと、心拍数が上がるからじゃないでしょうか。時間と言うのは時計が刻むだけじゃなく、僕ら一人ひとりの「バイオリズム」があると考えれば、心拍数が上がって「自分の時間の流れが速くなる」というのが現象では無いでしょうか。

精神的な観点では、「速く弾いた方が優秀だ」という思い込みが、脳みそにへばりついてる事が考えられます。パガニーニやボッテジーニなどをやたら速く弾きたがる現象ですね。オーケストラの録音も、オーディションでのオーケストラ・パッシも、「自分が有能である事を示す為に」、やっぱり速く弾くのが主流になっている気がします。もちろん、長い目で見て、現代社会のリズムがかなり速くなってるのも関係あるでしょう。
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実は、速く弾くことそれ自体には、大した重要さは無い、と脳みそに叩き込む事が重要です。絶対的な速さより、音楽性、楽器をしっかり鳴らすこと・・・もっと大切な事があるはずです。

コントラバスの世界でも、ソロ楽器としての発展の遅れからくるコンプレックスか、一時期はみんながみんな速く弾くことを考えていたように思います。それに逆らっていたのが、ゲーリー・カー氏。友人に教えてもらったんですが、こちらに、僕がとっても感心したメトロノームの使い方を含む講演の記録があります。僕もパソコンに速さ「1」まで落とせるメトロノームをダウンロードして使ってみましたが、確かに良い点がたくさんありました。

最近では、たくさんのコントラバス奏者が、速く弾くことよりも大事な事を実践している気がします。速く弾く事だけを考えている風の奏者は、時代遅れな感じがするくらいです。僕の先生、ステファノ・シャシャも、ボッテジーニや他の楽器のための有名曲やらを、すごくゆっくりのテンポで弾く事があります。彼が言うには、「俺は、このテンポが(コントラバスで弾く場合の)この曲のテンポだと『感じる』。」という、単にゆっくり弾くだけではない、もう一歩先の考え方です。ゲーリーも、現代の他の多くの素晴らしいコントラバス奏者も、同じアイディアだと思います。
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では具体的に僕はどう練習するか?まずは、ややこしいパッセージなどを、自分がまったく緊張しない速さで弾くこと。色んな事に気をつけながら。その速さで「完璧に弾ける」と感じること。それとは別に、音楽が求めている速さを感じること。そして少しずつ、その実現を目指すこと。焦らず、時間をかけて。

なんだか、誰もが言っている一般論に落ち着いてしまいましたが、実際に自分の経験としてこの過程を通りすぎて来た事が大事だと思ってます。さぁ、練習、練習!

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Commented at 2013-08-19 22:34 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by mitsugu-ts | 2013-08-19 00:32 | 僕のコントラバス考 | Comments(1)

イタリアの東北、風の街トリエステで生活するコントラバス弾きmitsuguのブログ。トリエステ情報や音楽、コントラバスに関する考えをまとめています。ときどき近況も。どうぞよろしく!


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