コントラバス・マスタークラス「Michael Klinghoffer」先生

ジャズ科に在籍しながらちゃっかりクラシックの授業も受けているコンサバトリーにて、とっても充実したコントラバスのマスタークラスが行われました。
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イスラエルのエルサレム出身のマエストロで、マイケル・クリンゴッファー(Michael Klinghoffer、苗字の読み方はまったく勘です。)というお方。もう60歳近いのかな?でも、とっても元気で優秀な先生でした。

この片田舎のトリエステのコンサバトリーですが、僕の先生のシャシャの知り合いの輪がだんだんと広くなってきたのと、ヨーロッパ交換留学システム「ERASUMUS」のお陰で、ヨーロッパ、アメリカからもたくさんの先生がマスタークラスをしに来てくれました(シベリウス・アカデミー、ロンドンのロイヤルアカデミー、サリツブルグのモーツァルテウムなどの先生)。その中でも、今回のマイケル先生は、僕としては最も素直にすごい!と思った先生でした。

まず、エネルギーのポジティブさがすごい。普段はダンディーな顔立ちの物静かな紳士なんですが、レッスンで必要とあれば歌う、踊る、全力で笑わす(僕のような関西人には重要ポイント。笑。)などと、全力で教えてくれます。授業の最初、生徒が曲を弾き終わった後は、必ず「僕がどういう風にお役に立てるかな?」という質問からはじめ、生徒本人の自覚を高める事を大切にしています。

その後は、まず音楽の話から初めて、徐々にテクニックの話へ。そのバランスの良さは、教師として本当に絶妙だと思いました。テクニックに関しては、彼なりにすごく研究しており、それを生徒に的確に伝えるための方式も確立しています。太っ腹なことに、ユーチューブでものすごく分かりやすいオンラインレッスンも公開しています。興味がある方は「drive a double bass」と検索してみて下さい。タダでこれだけの情報量をシェアしてるってだけでも、教育に熱意がある方だと分かるはずです。
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音楽的な柔軟さも素晴らしい。シャシャの生徒(僕も含め)は、かなり個人的(世俗に囚われない)な演奏をする事があるんですが、彼が音楽的だと認めれば、まったく邪魔をせず、すぐその方向に合わせたレッスンを展開してくれます。これは、本当に深い音楽的な解釈が備わっているから出来る事だと思います。

テクニック面では、とにかく「いかにコントラバスを簡単に弾くか?」というのが彼のテーマでして、それは彼のビデオレッスンやホームページからも分かります(「コントラバスを弾くという事は、簡単かもしくは不可能かのどちらかだ」)。この考え方、毎日練習してると忘れがちですが、確かに僕も同感です。「コントラバスは弾くのが難しい楽器だ」と思っているうちは、今の時代、通用しないんじゃないかと思います。

演奏者としてもっとすごい!と思う先生には何人も会ったけれど、ここまで「教育者」として完成していて、それがまったくポジティブに作用している先生は初めてでした。僕もいつか誰かにコントラバスを教える事になったら、間違いなくこの先生のやり方を取り入れると思います。素晴らしいマスタークラスでした!本当にありがとう、マエストロ・マイケル!
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Commented by tajimanomegane at 2013-05-20 04:47
Youtubeで見てただけでも、ゲーリーの意図を汲みながら、ものすごくアイディア豊富で、面白かった。
(音は、Youtubeで聞くかぎりではちょっと?だったけど・・・)

ちなみに、ドイツ系の名前なので、もしそれで発音すると「ミヒャエル・クリングホッファー」になりそうです。ヘブライ語の表記法でもも、ドイツ語の発音に準じているみたい。
Commented by tajimanomegane at 2013-05-20 04:50
あ、でも名前のほうは自分で「マイケル」って言ってるんだ。
Commented by mitsugu-ts at 2013-05-20 20:09
たじまくん、面白い事に、彼の演奏自体はそんなにパッとしないんよね。笑。俺も最初にこの人が来る、って知ったときは、「なんや、えらくテクニックにうるさそうな先生が来んねんな」って思ったもんでした。でもね、ギトリスと弾いて体感できた事なんやけど、「本当の音楽性」がある演奏もしくはレッスンって、音や音程が悪かったりしても聴けるんやと思う。そして、この人の演奏にはそれがあると思う。
名前は、自己紹介したときにマイケル(マイコル)と言ってたのでそのままで。まぁ俺も外国人に対しては「ミグ(mig)」で通してるしなー。
by mitsugu-ts | 2013-05-20 01:06 | 僕のコントラバス考 | Comments(3)

イタリアの東北、風の街トリエステで生活するコントラバス弾きmitsuguのブログ。トリエステ情報や音楽、コントラバスに関する考えをまとめています。ときどき近況も。どうぞよろしく!


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