パッセージの反復練習、あなたは前から?後ろから?
2017年 08月 08日
日本でやった「コントラバス勉強会」というのは、まぁ一応ゲストである僕が主導という形にはなってしまうのですが、気を付けて参加者の方にも意見を言って頂くように仕向けました。もともとごく内輪のコントラバス友達でオフ会をして、意見交換をしようという主旨で生まれた集まりですので、僕としても勉強させていただくつもりで臨みましたし、それでこだわって「参加無料」とした次第です。
参加者の皆さんのおかげで、僕もまだまだ考えていけそうな色々な事柄を持ち帰ってきて、早速練習に応用しています。そのうちの一つ、反復練習のやり方についての考察。 これは神戸での勉強会で話題に上ったのですが、「16分音符がギッシリのパッセージを練習する方法」という話になりました。まず、「1拍や1小節ごとに、細かく分けてそれぞれのブロックを練習する」というところまでは意見が一致したのですが、その次が面白いことに、
A 頭のブロック(8小節のパッセージなら1小節目)を完璧に仕上げ、次に1+2を完璧にする。次はもちろん1+2+3...
という派と、
B 後ろのブロック(8小節のパッセージなら8小節目)から始め、だんだん前へとつなげていく。つまり、8ができたら7+8、それもできたら6+7+8...
という派に分かれたのです。
さてあなたはどちらですか?笑。普通は何も考えずにAなんじゃないでしょうか。B派の意見としては、
「弾き続けるに従って、たくさん反復練習した箇所に差し掛かり、安心感を持って弾ける。」「終わり良ければ総て良し!」というものが見られました。確かに納得です。
それに対して、A派の反論は、
「調性音楽作品は和声進行(もしくはフレーズのシークエンス)があり、この和声(もしくはフレーズ)があるから次はこう来る、という流れがある。練習中も、それを感じるべきである。」「出だしに自信が無かったら最初でつっかえて、後もどうせメチャクチャになる。」というもので、これも納得。
最後には「じゃあ、ここは真ん中から練習し出すのがいいな。笑」という意見も飛び出し、その場は楽しく終わりましたが、考え出してみると奥深い問題です。僕の今の結論は、「人それぞれ、性格によってどちらが合うのか決まってくるのではないか」というもの。結論でもなんでもありません。笑。
みなさんは、どっち派ですか?
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参加者の皆さんのおかげで、僕もまだまだ考えていけそうな色々な事柄を持ち帰ってきて、早速練習に応用しています。そのうちの一つ、反復練習のやり方についての考察。
A 頭のブロック(8小節のパッセージなら1小節目)を完璧に仕上げ、次に1+2を完璧にする。次はもちろん1+2+3...
という派と、
B 後ろのブロック(8小節のパッセージなら8小節目)から始め、だんだん前へとつなげていく。つまり、8ができたら7+8、それもできたら6+7+8...
という派に分かれたのです。
さてあなたはどちらですか?笑。普通は何も考えずにAなんじゃないでしょうか。B派の意見としては、
「弾き続けるに従って、たくさん反復練習した箇所に差し掛かり、安心感を持って弾ける。」「終わり良ければ総て良し!」というものが見られました。確かに納得です。
それに対して、A派の反論は、
「調性音楽作品は和声進行(もしくはフレーズのシークエンス)があり、この和声(もしくはフレーズ)があるから次はこう来る、という流れがある。練習中も、それを感じるべきである。」「出だしに自信が無かったら最初でつっかえて、後もどうせメチャクチャになる。」というもので、これも納得。
最後には「じゃあ、ここは真ん中から練習し出すのがいいな。笑」という意見も飛び出し、その場は楽しく終わりましたが、考え出してみると奥深い問題です。僕の今の結論は、「人それぞれ、性格によってどちらが合うのか決まってくるのではないか」というもの。結論でもなんでもありません。笑。
みなさんは、どっち派ですか?
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at 2017-08-09 15:45
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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at 2017-08-09 23:04
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
by
mitsugu-ts at 2017-08-10 17:38
> 鍵コメントのSさん、充実した考察をありがとうございます!
和声進行を考えながら(感じながら)細かい音型の練習をすると良いのではないか、というのは専ら僕の意見です。例に挙げてくださったフィガロの結婚序曲の冒頭ですが、まず純粋なメカニックとして見ると並の協奏曲より難しい、というご意見には賛成です。しかし、僕が思っている「和声の流れを踏まえて練習する」というのは、この場合には「和声の進行上、大事な音はどれか」を判断することで、「音すべてをかなりの精度で仕上げなければならない」というご意見とは少し異なります。
例えばこの冒頭では、1小節目1拍目のDはもちろん外せませんし(当たり前ですね)、3小節目1拍目のA(ドミナントへの移動)も外せません。5小節目1拍目のEもSDとして大事ですし、仰る通り6小節目後半のA-H-Cis-Dの解決も非常に大事です。僕が思うのは、全ての音が何かの事情で完璧に弾けなくても(例えば指揮者がありえない速さで曲を始めた、借り物の楽器が弾きにくい、緊張で指がつったecc)、この構造が頭に入っており「何があっても、これだけは!」キメるように意識していれば、合奏全体に有意義に貢献できるのではないか、ということです。また、全ての音をかなりの精度で弾ける上級者にとっても、これらの重要な音にほんのわずかなアクセントをつけるなどすると、和声進行がハッキリして合奏により貢献できると考えます。
和声進行を考えながら(感じながら)細かい音型の練習をすると良いのではないか、というのは専ら僕の意見です。例に挙げてくださったフィガロの結婚序曲の冒頭ですが、まず純粋なメカニックとして見ると並の協奏曲より難しい、というご意見には賛成です。しかし、僕が思っている「和声の流れを踏まえて練習する」というのは、この場合には「和声の進行上、大事な音はどれか」を判断することで、「音すべてをかなりの精度で仕上げなければならない」というご意見とは少し異なります。
例えばこの冒頭では、1小節目1拍目のDはもちろん外せませんし(当たり前ですね)、3小節目1拍目のA(ドミナントへの移動)も外せません。5小節目1拍目のEもSDとして大事ですし、仰る通り6小節目後半のA-H-Cis-Dの解決も非常に大事です。僕が思うのは、全ての音が何かの事情で完璧に弾けなくても(例えば指揮者がありえない速さで曲を始めた、借り物の楽器が弾きにくい、緊張で指がつったecc)、この構造が頭に入っており「何があっても、これだけは!」キメるように意識していれば、合奏全体に有意義に貢献できるのではないか、ということです。また、全ての音をかなりの精度で弾ける上級者にとっても、これらの重要な音にほんのわずかなアクセントをつけるなどすると、和声進行がハッキリして合奏により貢献できると考えます。
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at 2017-08-10 17:58
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
by
mitsugu-ts at 2017-08-11 06:37
鍵コメントのSさんより「他の読者の方も話についていけるように、やりとりを公開しても構わない」とのご提案を頂きましたので、やりとりの内容をコピー&ペースト(個人が特定されかねない部分は僕の裁量にて編集)して公開します。他の読者の方の参考になれば幸いです。
最初のSさんの投稿
『・・・細かい動きのパッセージの例として、フィガロの結婚序曲の冒頭部分を考えます。
ブログの記事では和声進行を考えながら16分の連続を練習するという内容がありました。
冒頭部分の和声進行はT⇒D⇒Tと解決します。
和声の流れを踏まえて練習しようと考え、6~7小節目の「D⇒T」(A・H・Cis・D)をキメるためには、それ以前の小節の音すべてをかなりの精度で仕上げなければならないということです。
(特に、同一ポジションのG⇒A⇒Gis⇒A⇒Gis⇒A、A⇒Gis⇒A⇒Ais⇒Hの音程や、左指でキチンと押弦して音質を一定にすること)
アマチュアのうまいとされる人でも、「速いフレーズだから大きく音程やタイミングを外しさえしなければ良し」と考え、「かなりの精度」でさらうことまで神経が働く人はまずいません。そこまで踏まえると、協奏曲を弾くよりも難しいのではないでしょうか。』
これに対する僕の回答は、上の公開コメントを見てください。
Sさんの続いてのコメント
『単音しかでないコントラバスで和声進行となると、バッハの無伴奏のように1音1音精緻に丁寧に練習というイメージだったのですが、理解できました。
特にオケスタでは「物理的に無理じゃね?」と考えられるフレーズに遭遇することがあります。そういうときにご指摘の方法は良いですね。
ブログの公開コメント欄を見て「?」と疑問に思われる方がおられるかと思われます。
もしよければ、個人特定が出来ないようにしたうえで、フィガロの例などブログの題材にしてくださっても構いません。
これからも情報楽しみにしてます。 』
Sさん、考察とお心遣いありがとうございました!今後ともよろしくお願いいたします。
最初のSさんの投稿
『・・・細かい動きのパッセージの例として、フィガロの結婚序曲の冒頭部分を考えます。
ブログの記事では和声進行を考えながら16分の連続を練習するという内容がありました。
冒頭部分の和声進行はT⇒D⇒Tと解決します。
和声の流れを踏まえて練習しようと考え、6~7小節目の「D⇒T」(A・H・Cis・D)をキメるためには、それ以前の小節の音すべてをかなりの精度で仕上げなければならないということです。
(特に、同一ポジションのG⇒A⇒Gis⇒A⇒Gis⇒A、A⇒Gis⇒A⇒Ais⇒Hの音程や、左指でキチンと押弦して音質を一定にすること)
アマチュアのうまいとされる人でも、「速いフレーズだから大きく音程やタイミングを外しさえしなければ良し」と考え、「かなりの精度」でさらうことまで神経が働く人はまずいません。そこまで踏まえると、協奏曲を弾くよりも難しいのではないでしょうか。』
これに対する僕の回答は、上の公開コメントを見てください。
Sさんの続いてのコメント
『単音しかでないコントラバスで和声進行となると、バッハの無伴奏のように1音1音精緻に丁寧に練習というイメージだったのですが、理解できました。
特にオケスタでは「物理的に無理じゃね?」と考えられるフレーズに遭遇することがあります。そういうときにご指摘の方法は良いですね。
ブログの公開コメント欄を見て「?」と疑問に思われる方がおられるかと思われます。
もしよければ、個人特定が出来ないようにしたうえで、フィガロの例などブログの題材にしてくださっても構いません。
これからも情報楽しみにしてます。 』
Sさん、考察とお心遣いありがとうございました!今後ともよろしくお願いいたします。
by mitsugu-ts
| 2017-08-08 23:45
| 僕のコントラバス考
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Comments(5)