僕のカルテットのコンサート終了、そして「室内楽」を考える。
2014年 12月 06日
僕のカルテットのコンサバトリーでのコンサートが終了しました!雨・風のひどい天気のなか、100人くらいのお客さんが来てくれました! このコンサートのテーマの一つだったのが、「室内楽」という言葉。考えてみたら、変な言葉ですよね、室内楽。部屋の中でやる音楽?もとを辿ると、王侯貴族のダンス・ホールなどの「室」を表すらしく、基本的に教会音楽から区別するための名称であり、現在の定義であろう「少人数の合奏の総称」とは少し食い違ってきます。 時代が進むにつれて、王侯貴族だけのものだった室内楽が、中流階級にも浸透してきます。作曲家や文化人が自宅の居間で、小規模の音楽会を開くようになったんですね。このあたりが、今で言う「室内楽編成」のオリジナルになるはずです。 さて室内楽を演奏する場合には、ソロ演奏やシンフォニー演奏やオペラ演奏とは、全く違う能力を求められます。一番重要なのは、「他のメンバーの音を聞く能力」だと思います。他のメンバーがどうしたいのかを察知し、それを壊さないように自分の意見を音楽で表現する。そのためには、自分のテクニックのコントロールを完璧にこなす必要があります。たとえば、音程の話をすると、ソロ演奏では音程をわざと変える(もしくは意識せずに変わる)ことによって、フレーズに表情をつけることができます。シンフォニー演奏では、群衆の力、一人ひとりの音程はそこまで厳しいものは求められません。しかし、室内楽では自分が和音の構成音のどれを弾いているのかまで意識し、他人の音を聞きつつ微調整を行わなければ、綺麗に響きません。 僕はまだとてもそこまで出来るテクニック・レヴェルではないですが、このコンサートではとにかく雰囲気だけでも、「室内楽」を味わってもらおうと、演奏の合間にお客さんに話しかけたりもしました。ホールや劇場でのコンサートでは演奏者と観客との間には厳然とした一線がありますが、室内楽の本質としてはその一線を取り払って、「まるで友人の家で友達の演奏を聴くような」雰囲気の方が良いのではないか、と考えたんです。 いろいろ調べていて、室内楽のことを「Music for friends」と呼んだ音楽学者がいると知り、この定義が僕の中にストンと納まりました。一緒に演奏してくれる友人のための、聴いてくれる友人のための音楽。今回の僕のカルテットでのコンサートは、テクニック的なアラはいくらでもあるでしょうが、この定義は体現出来たと思いますので、満足しています!しかし疲れました!でも楽しかった!お客さんの感想もとってもポジティブで、それも嬉しいです。またやりたいもんです! クリックして応援お願いします!
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by mitsugu-ts
| 2014-12-06 07:50
| 僕のコントラバス考
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