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トリエステのケーブルカー「Tram de Opicina」あれやこれや。

トリエステ観光の目玉の一つである、トリエステ・オピチーナ村間のトラムをご紹介します。
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このトラムは、トリエステに残っている唯一の路線なんですが、何がすごいって急勾配の登りっぷりがすごい!街中で見れば、レトロで可愛い車両なんですが、オベルダン広場を発車して5分もしないうちに、バックして「牽引機」と合体します。その牽引機は鋼鉄のロープで山の上にあるもう一台の牽引機と繋がっており、そこには上から降りてくる車両が合体。その重さを利用して、下からのもう一台を引っ張り上げるという、言われてみれば単純なシステムで、急勾配をゆっくり登っていきます。このように普通の車両が合体してケーブルカーになる例は、ヨーロッパでも唯一だそうな。
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という訳で、坂道の間の駅は上の始点からと下の始点からと、同じ距離に位置しています。どっちかのトラムで客の乗り降りがある時は、もう一台もストップして待つ必要があります。
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詳しい歴史や機構は、ウィキペディア(英語)にあるのでそちらにお任せ。何にせよ、1902年からある歴史ある路線です。
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さて、裏話をいくつか。坂道を登りきり、牽引機と分離して自力で走り出してからは、車道の近くを行くんですが、何箇所か車道と交差するところもあります。
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この辺で、ちょくちょくスクーターや車と接触事故を起こしています。強風ボーラに吹かれて脱線したこともあるそうな。2012年9月にも何度か脱線をやらかし、ついに大掛かりな整備工事が始まりました。その間はバスで代行。「半年ほどの予定です」と言っていた運営会社の声明は遅れに遅れ、再開したのはついこの間、2014年7月の末でした。トリエステ人は、ここぞとばかりに工事の遅れをからかっていました。笑。いわく、「1902年に作った時は1年半で出来たのに、2014年に修理する時は2年以上かかるなんて、さすがだぜ!」みたいな。笑。
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登りきったあたりはとても景色が良く、観光客もたくさん乗ってますが、オピチーナ村民の普段の生活にも利用されています。値段も、普通のバス切符の一回分(1.3ユーロ)です。ちなみに、先っぽに装着して、自転車を2台ぐらいまで運搬可能。これも無料サービスらしい。
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行程は全部で45分くらい、観光の人はオピチーナ村まで行っても何も無いので、海が見える山肌沿いの散歩道「ナポレオンの道」の始まりの停留所で降りて、散歩道を少し歩いて、また戻ってくるのが良いのでは無いでしょうか。こんな感じで、トリエステを見下ろす事ができます。
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もちろん、歩きたい人は3.7キロの散歩道を歩ききってしまっても良いでしょう。反対側のプロセッコ村からはバス42番で、トリエステまで帰って来られます。

僕らはこの前の日曜日に、散歩道を歩ききってきました。山道に少し入って高台から夕陽を眺め、バスに乗るためプロセッコ村方面に向かいました。
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しかし、プロセッコ村手前のバールに今年の新ワインあります!と書いていたので、今年も試してみる事に。この田舎っぽさが、美味い!
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そうこうしているとトリエステの街に下りるバスを逃し、急遽反対方向、オピチーナ村行きのバスに飛び乗りました。そして運良く最終のトラムに間に合う!と思っていたのですが、待てど暮らせど肝心のトラムが駅に来ません。

15分ほど遅れて、ようやく到着。こんなに暗い中でトラムに乗るのは、実は初めてです。
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遅れて来たのもさもありなん、警笛が鳴りっ放しで止まらなくなってるやないか!故障ですな。運転手さんが降りて来て、「あっちで行こう!」と車庫入り直前の別の車両を大慌てで準備。大丈夫か・・・。

不安を抱えながらの出発でしたが、下り坂部分ではまさに空中に飛び出して行っているような、銀河鉄道のような雰囲気を味わう事ができました。この全ての冒険(トラム上り、海が見える散歩道、夕陽、バス移動、トラム下り)が、日祝日は4時間有効の1.3ユーロバス切符で楽しめてしまいます、トリエステ!

最後に明るく終わるために、このトラムに捧げられたトリエステの民謡をご紹介。また気が向いたら翻訳します。笑。
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Commented by ねーさん at 2014-10-06 22:29 x
ぜひとも、また乗りに行きたいです。
Commented by mitsugu-ts at 2014-10-08 15:37
あれ、ねーさんは乗ったんやっけ?忘れてしもうた。
Commented by wadako at 2014-10-17 22:46 x
こんにちは。
私がコムーネにいた当時の課長がコントベッロに住んでいて、あのあたりでは地域住民がそれぞれ自分で栽培したブドウを共同で醸造し、収益を地域のために使うという話を聞きました。
そういう葡萄酒を飲ませる居酒屋にも行ったことがあります。
日本で考える「イタリア」とは全く違う場所でした。
by mitsugu-ts | 2014-10-05 05:41 | 続・トリエステの歩き方 | Comments(3)

イタリアの東北、風の街トリエステで生活するコントラバス弾きmitsuguのブログ。トリエステ情報や音楽、コントラバスに関する考えをまとめています。インスタグラムでは「#今日のトリエステ」を発信中、ときどき近況も。どうぞよろしく!


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